放課後等デイサービスのお子様の高校進学:特別支援学校、チャレンジ・エンカレッジスクール、通信制高校以外の一つの選択肢としての専門高校

翼学院グループ代表 学院長 芦澤唯志
公認心理師(認定専門公認心理師)
公益財団法人産業教育振興中央会理事 等
2024年9月に葛飾区放課後等事業所連絡会主催(会長:つばさクラブ高砂 芦澤和美)で「放デイの子どもたちのための進路フェア」を開催しました。
当日は葛飾区内の専門高校(葛飾総合、本所工科、農産、葛飾商業)の各校の校長先生と私立高校(修徳、愛国)、情報経営イノベーション専門職大学の先生が学校の説明をしてくださいました。
この会では葛飾区内40事業所の放デイの経営者、管理者が熱心に耳を傾ける姿が印象的でした。
アンケートでは「専門高校という選択肢があることを知らなかった」という意見が多く寄せられました。

これまで2500人以上の卒業生を送り出した翼学院グループや、かつしか進路フェアなどで私が行っている進路指導では、チャレンジ・エンカレッジスクール、通信制高校の受験相談が多く寄せられます。
もちろん、それらの高校の良いところもたくさんあります。
しかし専門高校に目を向けられている方が少ないことは、昨今の入学者選抜倍率からも窺い知ることができます。
一例として、私が学校運営連絡協議会委員を務めている葛飾総合高校は大学進学率も年々伸びていて、本所工科高校は毎年就職率が100%です。
本所工科高校には小売業や福祉など工業以外の業種で活躍している卒業生も多数いて、調理実習や生徒の行いたい学びを先生方がサポートして行っています。
その成果が多様な進路選択へとつながっているのだと感じています。
しかし私が進路指導でこのことをお伝えすると「都立高校の一般入試を受けるなんて、とてもうちの子には無理です!」とおっしゃる保護者様も多いのですが、一例として本所工科高校では中学生の時に学校に通うことができなかった生徒や成績がオール1であった生徒も手厚い支援を受けて学び、卒業、就職しています。
毎日、無償の学校給食もあり、学業とアルバイトの両立をしている生徒も複数在籍をしています。資格取得ができること、また「絶対に卒業に向けて支える」という先生方の熱意を感じています。
毎年、参加する卒業式では、さまざまな背景をもつ生徒が学校生活を通じて成長した姿をみて、送り出す下級生や先生方の涙をみて、私も心を熱くしています。


このコラムでは専門高校という進路選択のご紹介をしましたが、放課後等デイサービスを利用されているお子様、発達やメンタル、学習に課題をもつお子様が、ご自身にあった将来に向かって進んでいくことを心から願っています。