翼学院で教える 英語の学習法 ③過去時制

これまで「現在時制」「未来時制」と紹介してきましたが、いかがでしたか?(まだ、読まれていない方はぜひ、読んでみてください。)
現在時制、未来時制どちらの内容でも、文法を対比した表をお伝えしております。
対比し整理することで、それぞれの語順の違いを理解すること、表になっている事でどこを見たらよいのかが分かりやすくなるという効果があります。混同しやすい文法を対比し表を使って整理することで、正しく覚えていきましょう。
さて、今回はいよいよ「過去時制」をご紹介します。
過去時制
日本語で「~だった」「~した」で終わる文が過去時制です。
過去時制は前章で学んだ動詞の「過去形」を使います。未来時制のように助動詞は使いません。一般動詞の過去形は基本的に語尾に-edをつければよいのですが(規則変化)、不規則変化の動詞は覚えなければなりません。また、be動詞の過去形は “is, am → was” , “are → were” と2分されることも思い出してください。
それではそれぞれの動詞の場合で過去時制の文の作り方を学びましょう。
be動詞の過去時制
「~だった」と訳します。作り方は「is, am, areをwas, wereに変える」、これだけです。
I am happy. → I was happy. =私は幸せだった。
You aren’t busy. → You weren’t busy. =あなたは忙しくなかった。
Is he cool? → Was he cool? – Yes, he was. / No, he wasn’t. =彼はかっこよかった? -はい / いいえ
短縮形として “was not = wasn’t” “were not = weren’t” があることは覚えておきましょう。
一般動詞の過去時制
「~した」と訳します。肯定文はbe動詞と同じく、動詞を現在形から過去形に変えるだけです。不規則変化が厄介なので、教科書やワークで出てきた都度覚えるようにしましょう。
規則変化の例:I study English. → I studied English. =私は英語を勉強した。
不規則変化の例:I eat an apple. → I ate an apple. =私はリンゴを食べた。
次に否定文と疑問文について考えてみましょう。
現在時制では、否定文と疑問文で ”do / does” を使い、その後ろの動詞は原形になる=「doが動詞の活用を受けて変化する」ことは覚えていますか?
実は過去時制でもdoにお世話になるのです。上記のようにdoの後ろは原形になるのですが、そうすると「過去」を表すことができなくなってしまいます。どうしたら良いでしょう?……勘のよい方はお気づきかもしれません。doに過去を表してもらうのです。その形は “did” です(使い方はdo/doesと同じ)。
否定文:I don’t play soccer well. → I didn’t play soccer well. =私はサッカーを上手にしなかった。
疑問文:Does he want a car? → Did he want a car? =彼は車をほしかったのですか?
→Yes, he did. / No, he didn’t. =はい/いいえ
”did not =didn’t” という否定の短縮形も、必ず覚えておきましょう。「過去の否定文・疑問文の作り方は、do/doesをdidに変える」と覚えておけば難しくないですね。
ただ現在時制と混ざってしまい過去なのに ”does” が出てきたり、動詞の「過去形」を使うべきところを「過去分詞形」を使ったり、なんてミスをしないように気を付けましょう。
be動詞 was, were | 一般動詞 -ed / 不規則変化 | |
---|---|---|
肯定文 | 主語+be動詞の過去形 I was happy yesterday. They were tired last night. | 主語+動詞の過去形 I played baseball yesterday. He went to school last night. |
否定文 | 主語+be動詞の過去形+not I was not (wasn’t) happy yesterday. They were not (were not) tired last night. | 主語+did+not+動詞の原形 I did not (didn’t) play baseball yesterday. He didn’t go to school last night. |
疑問文 | be動詞の過去形+主語~? Was he happy yesterday? Were they tired last night? | Did+主語+動詞の原形~? Did you play baseball yesterday? Did he go to school last night? |
疑問文の 答え方 | はい: Yes, 主語+be動詞の過去形. Yes, I was. Yes, they were. いいえ: No, 主語+be動詞の過去形+not. No, I wasn’t (was not). No, they weren’t (were not). | はい: Yes, 主語+did. Yes, I did. Yes, he did. いいえ: No, 主語+did+not. No, I didn’t (did not). No, he didn’t (did not) |
〇 過去時制を使う場面
過去の「事実、状態、動作」を表します。加えて現在形の時と同様に2つの場合を確認しておきましょう。
過去の習慣(過去形を使う)
He sometimes went to school by bike. =彼は時々自転車で学校に行っていた。
I usually got up at 7:00 when I was young. =私は若いとき普通7時に起きていた。
現在形が現在の習慣を表したように、過去形も過去の習慣を表します。日本語訳は「よく~していた、~したものだった」などを用います。この場合 “sometimes, usually, often” などの「頻度を表す副詞」を一緒に使うことが多いです。
あくまで「過去の習慣」ですから、その習慣が「現在どうなっているか」は関係ないことに注意してください。「I often played soccer on Thursdays. =木曜にはよくサッカーしていた。」人が、現在もサッカーしているかどうかはわからないわけです。
歴史上の事実
Oda Nobunaga died in 1582 at Honno-ji. =織田信長は1582年に本能寺で死んだ。
The French Revolution broke out in 1789. =フランス革命は1789年に起こった。
「不変の真理」は常に現在形で書くこと、覚えていますか? それと同じように過去の事実の中でも特に「歴史上の事実=不変」は常に過去形で書きます。
過去時制を表すことば
yesterday:昨日 / the day before tomorrow:一昨日 / ~ago:~前(日・週・月・年)……three days ago:3日前、two weeks ago:2週前、two months ago:2ヵ月前、two years ago:2年前
last ~:前の~、先~(週・月・年・曜日)……last week:先週、last month:先月、last year:去年、last Tuesday:前の火曜日 など
例えば 「next~ と last~」「tomorrow と yesterday」のように、未来と過去とで対比すると覚えやすい表現はセットで覚えるようにしましょう。
“ ~ago” は過去時制特有の表現で、非常によく用いられます。「the day before yesterday:一昨日= two days ago:二日前」と言い換えることもできますから、とても便利ですね。
これで時制の勉強はいったん終了です。一文の時制はまだ理解しやすいですが、接続詞や関係代名詞で文がいくつも組み合わさると、組み合わさった文の時制を一致させるなど、厄介なことが起きてきます。とはいえ、どんな複雑な文章も基本的な時制の組み合わせですから、まずは過去・現在・未来の時制の形、使い方をしっかり理解し基礎を固めましょう!
Step3(過去時制)のまとめ
- be動詞の過去時制:was, wereを使う(文の作り方は現在形と全く同じ)
- 一般動詞の過去時制
肯定文 →過去形を使う(規則変化は-ed / 不規則変化は覚えること)
否定文・疑問文 →現在時制のdo, doesの代わりに “did” を使う(当然動詞は原形に)
否定文:主語+did+not+動詞の原形
疑問文:Did+主語+動詞の原形~? → Yes, 主語+did. No, 主語+did+not. - 過去時制:過去の事実・状態・動作、過去の習慣、歴史上の事実
過去時制を表すことば:yesterday:昨日 / the day before tomorrow:一昨日 / ~ago:~前(日・週・月・年)……three days ago:3日前、two weeks ago:2週前、two months ago:2ヵ月前、two years ago:2年前 / last ~:前の~、先~(週・月・年・曜日)……last week:先週、last month:先月、last year:去年、last Tuesday:前の火曜日 など
※「next~ と last~」「tomorrow と yesterday」は対比して覚えておく